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ねじりまんぽ
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先日、琵琶湖疎水がらみの遺構を巡ってきました。ほかにもおもしろい建造物はいっぱいあるのですが、これは蹴上インクラインの下、三条通り〜南禅寺へ抜けるトンネル。

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ねじりまんぽというのはレンガをねじって積んだアーチ構造を指すらしい。このトンネルのように、上部をはしるインクラインの軸線と直行せずに斜行してトンネルを通すとき用いられる技術だとか。

なぜねじらなければいけないのか少し考えてみました。土木工学の専門ではありませんので以下は建築構造の知識に基づいた推論の枠内です。

レンガなどによるアーチは円弧状に材を積むことで開口部をつくる構造形式です。通常、レンガ積みでトンネルを造るときはこのアーチをアーチ面内に垂直(トンネルの進行方向)に連続させていくことでカルバートを形成します。建築の世界ではこの構造形式をヴォールトと呼びます。

コンクリートのように一体化していると話は変わってくるのですが、あくまでレンガピースを積んだものなので、レンガトンネルはヴォールトではなくアーチがくっついて並んでいるものと考えてみます。

e0080571_10363911.jpgすると上部構造の軸線に斜行するトンネルの場合、トンネルの両端部にアーチが成立しない部分がでてきます。

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これを解消するためにねじれを加えるわけです。上の写真のトンネル端部のピースの並びを見るとレンガ一個と半分のピースとが交互に積まれているのがわかります。ということはトンネルの斜行する角度によってこのねじれの角度が決まるということです。

e0080571_10373992.jpgレンガなど組積材を積むとき大きく二つの積み方があります。

芋目地に積むか破れ目地に積むかということです。

一般的に組積造はピース相互を一体化し強度を高めるため縦目地を通さないように積みます。

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芋目地をつくらないように一定のパターンを守って積み、なおかつ端部のアーチを成立させるためにレンガ積みの水平をひねっているのです。作業性を考えてもこれは合理的です。微妙にずらしてきわどい安定のパターンをつくるよりは、単純なパターンの繰り返しを守るために水平をずらすということ。発想の転換です。

水平をずらした結果、ねじれが生じスパイラル状のパターンができる。この美しいパターンはそれが目的ではなく、合理性を追求した結果たまたま出来上がったものである。
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by O-noli | 2009-03-09 10:54 | 旅の空間

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