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藤本由紀夫展 +/ー
藤本由紀夫展 +/ー
国立国際美術館 2007.7.7-2007.9.17


一昨日、中之島・国立国際美術館の藤本由紀夫展を見に行きました。藤本由紀夫展は今、西宮大谷記念美術館と和歌山県立近代美術館と3館同時に展覧会が開かれています。

西宮展はそこで毎年行ってきた「美術館の遠足」を振り返ったもの、過去の集大成的な内容。和歌山のものは他のアーティストとのコラボレーションがテーマで、そして中之島のものは新作発表といった具合になっています。

西宮の「美術館の遠足」とは年に一回一日だけ美術館の展示室だけでなく、裏方の諸室や通路、設備室、ホールや茶室、庭あらゆる場所に作品を展開して、それら作品群を見つけて歩くとても楽しい展示でした。1997年〜2006年、10回限定で行われた企画です。

「美術館の遠足」はほとんど毎年観に行っていたので、各作品ごとの展示手法も出尽くした感があり目新しいものはありませんでした。落ち着ける好きな美術館なので、子供と少し遊びに行ったようなものです。

そんな感じで中之島の新作はかなり期待して訪れました。ここのB2常設エリアで併催される小企画展示はおもしろい。天井高が非常に高く、間仕切りなしの巨大な長方形がとれるようになっていて、前回の杉本博司の巨大プリントもバッチリきまっていて格好良かった。

さて期待の藤本新作は決して裏切りませんでした。ウィットを効かせたオブジェ群はそのままに目玉はタイトルにもなっている『+/ー』。壁一面にBOSEのポータブルCDプレイヤーが200個超ぐらい。

その空間に入った時は重苦しいゴーという低音ノイズです。近寄ると音楽まじりのノイズになって、個々のスピーカーに耳を近づけるとビートルズが小さい音で流れています。その時でさえこのプレイヤーの他に隠れたスピーカーがあってそこからノイズが流されているようにも感じます。

個々の音楽の背後に明確に一個の音と認識されるノイズがあるけど、それは小さな音でばらばらに流された音楽の集積で出来上がった音。音響彫刻といわれるそれはスピーカーから離れた位置、空白になっている展示空間の中央に音で何かを造形したようなそんな風にも感じられます。

藤本が沈黙について書いたノートの一部、「何もかもがある状態/足せば足すほど消えていくもの」という言葉がこの作品のプロフィールを理解する一助となります。
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by O-noli | 2007-08-06 08:54 | art

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