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タスク/アンビエント照明
こないだのライトアップの話とリンクするよなしないような話。久しぶりなので気負いの長文、見放さずにつきあってください。タスク/アンビエント照明という言葉をご存じですか?

建築学用語辞典によると
アンビエント照明(ambient lighting)
 事務所照明において,タスク(事務作業)照明と組み合わせて快適な視環境をつくるための,天井,周壁,床面への照明.


タスク照明は
タスク照明(task lighting)
 コンピューターの画像面に反射光が映り込まないように工夫して,作業机などに組み込まれた照明.→作業照明.

よりも

作業照明(task lighting)
 事務所や工場などの作業現場において,全般照明に頼らず個々の作業に適した視環境をつくるように工夫された照明.→タスク照明.

こっちの方がしっくりきます。

事務所や作業場での照明計画に使う言葉で、アンビエント照明が空間全体をほどよく照明し、タスク照明が必要な場所にスポットで、例えばデスクライトでデスクトップを照らす。

全体を均一に明るくすると無駄なので、全体の照度を落として必要な場所だけ補助照明で照度を上げてやろうと。そういった発想です。

そうやって説明してくると、耳慣れない言葉だけど普通にやってることじゃないか、ということになると思います。確かに家でも勉強机のある部屋や書斎や台所など細かな作業をする場所は適切に照明されているでしょう。

問題はその他のアンビエント照明だけで済ませている部屋です。特に居間をイメージしていますが、コストの問題から蛍光灯を使いがちであること。蛍光灯は全体をくまなく照らすには格好の照明ですが、くつろぎの場には不向きな明るさです。

蛍光灯でも灯数を減らして調節できますが、薄暗いと非常に滅入る色をしていて、蛍光灯を使う以上、明々とやらなければ気が済まなくなります。

格段タスクがあるわけでもないのに全体を照らしたくなるのは、蛍光灯の登場とともにつきまとう病のようなものかもしれません。

しかし明るくしたがる人にも言い分はあって、居間で作業もするから明るくしたいということはあるわけです。

これは日本の茶の間がいろんな生活の営みを受け入れてくれる何でも部屋(卓袱台は食卓であり、座卓であり、文机であり。卓袱台をたためば布団を敷いて寝室にもなり)だったためで、その空間は現在ではリビングにしか行き場がなく、多機能性をそがれた貧弱なリビングであっても受け皿とならざるを得ません。

それならば、全体の照度を上げるのでなくタスク照明を加えればいいのです。茶の間の汎用性に習うなら行灯みたいなポータブル照明がいいと思います。

蛍光灯は細かい作業を伴う部屋以外ではあまり好ましくないと思うのですが、コストが安いということはそれだけ需要があるということで、それは蛍光灯の宿命─汎照明主義とも言える価値観が通念になってしまっているのではないかと思ってしまうのです。

明るすぎる街というのはこの汎照明主義に通じるものがあります。街灯や道路灯の多さは日本独特だとききますし。街が明るすぎるから郊外においても外の背景放射光〔環境(アンビエント)光〕が明るくて星が見えない。

いっそ夜は外のアンビエント光を目一杯取り込んで、これを室内のアンビエント照明に利用でけへんか?などと考えてしまいます。
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by O-noli | 2007-03-01 12:49 | thoughts

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