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船場建築祭(の一部)
先日、船場アートカフェ主催の船場建築祭というイベントに行って来ました。5つのイベントが行われたのですが、その内2つ見てきました。普段は入れない近代建築の中を見学できるだけでも嬉しいのですが、アーティストとのコラボレーションということで更に楽しめました。

行ったのは芝川ビル(1927 設計:渋谷五郎、本間乙彦)と伏見ビル(1923 設計:長田岩次郎)。内容的には圧倒的に芝川ビルが良かった。芝川ビルは当初は居宅として建設され、その後家政学校に。現在はテナントビルとして使用されています。
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意匠としては当時のオーナーの好みでマヤ・インカ文明の装飾が施されているとのことです。ちなみに伏見ビルはホテルとしてつくられて、テナントビルになっています。装飾は少なくどちらかといえばモダンでまったりと落ち着ける空間です。個人的に建物の好みは伏見ビル。
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でも芝川ビルもこってりしてるのは外観とエントランスとエントランス脇の一室のみで、あとはあっさりしたものです。ここに音とダンスが入ることで空間が異化されます。
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ビル内にはあらかじめスピーカーがいくつも仕込まれていて、街で拾ってきた音が流されています。そこにジャワ舞踏のダンサーとバリ舞踏のダンサー、ソプラノとバリトンを伴った楽隊が別個に活動を始めます。

船場建築祭(の一部)_e0080571_19454833.jpg3階で楽隊が演奏を始めます。楽隊は最後まで移動しません。鬼(ジャワ舞踏)が4階屋上から舞い降りてきて、しばし楽隊の近くで舞います。

そのころ双子の片割れ(バリ舞踏)が地下で目を醒まします。しばし地下で舞った後、脱兎のごとく走り出します。

2人は3階で出会い、一緒に階下へ。エントランスホールに閉じこもりガラス越しの舞を見せた後、双子の片割れは屋上へ走り上がり、鬼は傷つき転がるように地下に降りていきます。

その間も楽隊の音楽は館内中に響き渡っています。

それぞれがゴルフみたいにギャラリーを引き連れて動いて行きます。3者3様にゲリラ的にやるもんだから、こちらは先読みして館内を走り回って見ていました。
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鬼は最初から手負いの仕草でした。かたや胎内から生まれ天に昇っていく。かたや傷つき天から落ちてきて胎内に還っていく。生と死の交錯するところで生まれたドラマといった具合のストーリー性の強いパフォーマンスです。
by O-noli | 2006-10-14 19:41 | art

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