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スマートなパッシブデザイン
随分以前に読んだB.ルドフスキーの『建築家なしの建築』に、パキスタンで少なくとも500年前から使われていたとされる通風装置がある。この地域では風向きが一定なので、同じ形状のものが同じ向きに並ぶ。木と土でできた素朴なものだ。
それはユーモラスで、ユニークで、地域性を見事に表した景観を作り出し、美しくさえある。

バッド・ギア(BadgirもしくはBadgeer)といって、windcatcher;風捕獲器を意味します。原著の出版が1964年で、同著者1977年の著書『驚異の工匠たち』で「扇風機に圧倒され衰退しつつある。」と言及されている。

バッド・ギアの画像を検索してみると全くなかった。代わりに出てきたのがコレ

ペルシア語のBadgirの発音表記もあり、間違いなく同じものを指し示す概念だ。でも形状が異なり、きちんと建築化されている。これはこれでかっこいい。写真の場所はイランとある。文中に「ペルシア地方の伝統的建築で、中東、パキスタン、アフガニスタンに影響を与えた」とあるのでこっちのがオリジナルか。

もう一つ『驚異の工匠たち』の方にwindscoop;風すくいという言葉もあったので、こちらも検索してみたら色々あったけど、

おもしろかったのがコレ

それと装置化したもの

これらはいずれも熱帯地方で風を家の中に取り込む工夫でした。名前のように風を捕まえたり、すくったりする発想です。

なんでこんなことを調べたかというと、ウイングジェッターというものがあって。

発想としておもしろく、性能的にも魅力的なんですが、どうもデザインがなあ。と思ったわけです。
名前も風すくいとかwindcatcherとかに比べると随分ダサイ。こちらは風を取り込む(給気)のでなく、排気する装置なので言葉選びも難しいといえばそうですが。

名前や姿はダサくても内容はおもしろくて、形状的には飛行機の主翼をひっくり返したようなもので、F1マシンがフロントウイングとリアウイングでダウンフォースを得るのと同じ原理です。
垂直尾翼で風向きに合わせて動き、通り抜ける風が揚力と逆向きの力を生む。言い換えると翼の下側の圧力が下がり、空気を吸い上げる力が生まれる。

まあ何かできそうな気はするので、備忘録みたいなものです。
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by O-noli | 2012-04-21 12:29 | 家について考える

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