2005年 11月 17日
KPO
キリンプラザ大阪には時々訪れる。一番最近はアトリエワンの展覧会の折だったか。
僕の学生の頃の流行りは、ちょうどポストモダンからデコンストラクションへと移行する時期にあった。なので周囲の学生の傾向はだいたい、この二つとあと槇さん風モダンに色分けできた(デコンというくくりは非常に難しいのだけど、とりあえず)。 元々何においても単純な思考しかできす、Simple is Bestなどとのたまっていたので、デザイン的にデコンに惹かれつつも真似できない体質であった。そんななので、天の邪鬼チックに土木的スケールの風景の中での建築のあり方なんてことを夢想していた。 KPOは1987年に設立されたらしいので、初めて訪れるのはその2,3年後だ。写真はちょうどむかえのビルが建替の時のもので、現在はこのアングルでは撮れないはず。当時、高松氏はこのKPOやシンタックスに代表される装飾スタイルを確立していた。僕は前述のように装飾はとりあえずno thanksだったのでポストモダンは毛嫌いしてたし、高松伸についても好きではなかった。しかし、KPOは割と好印象であった。 当時は好印象をいだく理由がわからず、好印象を抱く自分に反感をもったりした。今思えば、おそらく4面同一ファサードの明快で彫刻的な骨格と装飾的ディテールによる陰影の加減が良いのだと思う。いささか卑近にすぎるが、建築がアートとなりえるというひとつの好例ではないか(もちろん自分だったら、ここはこうするという思いは多々あるし、もうあと一歩感はある)。 この少しひき気味で見て、装飾を陰影と見る見方は村野藤吾に学んだ。それについてはいずれ、詳しく書こうと思うが、毛嫌いしていた装飾の見方を変えることで随分と感性の幅が広がったと思う。
by O-noli
| 2005-11-17 15:49
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